2024年11月4日月曜日

High Fidelity(ハイ・フィデリティ)

ニック・ホーンビィ著の『ハイ・フィデリティ』やっと読み終えた。
主人公はちょっとマニアックなレコードを取り扱う店のオーナー。
音楽の趣味以外、最低な奴だと思ったけど、読むにつれて段々憎めない奴に変わる。
浮気した旦那の腹いせに貴重なレコード盤を二束三文で売り飛ばそうとする女性。
主人公は喉から手が欲しいと思うのに断る。
ずっと後になって後悔するところも人間らしい。
ニック・ホーンビィの自伝的な物語とも聞いているが、
ということは、彼は随分女性を泣かしてきたということか。
この作品は2000年に映画化されて、2020年にはドラマシリーズ化されている。
映画は日本のロスジェネ世代に響いて、メディアでも結構取り上げられた。
俳優のジョン・キューザックがとても気に入って映画化したとか。
『Walking on sunshine』でジャック・ブラックが弾け飛ぶシーンで
恥ずかしがるジャック・ブラックにジョン・キューザックは
「もっと激しく」と無理強いしたとか。
映画はシカゴの設定、原作はイギリスが舞台だ。
イギリスでもドラマ化されたらいいのにと思う。

この作品を途中まで読んで、主人公の性癖にウンザリして、しばらく読む気が
起きなかったけれど、ふともう一度手に取って読み返してみた。
もんどり打って、苦しむ最後の悪あがきの様な主人公の赤裸々な告白。
人生の節目をきっかけに、彼の中で意識が変わっていく
ラストになるにつれて、どんどん引き込まれていきそして読み終わった途端、
もう一度はじめから読み返したいと思う様な、そんな本。
音楽に対する主人公の批判精神は本当にキツイ。UK音楽を知っている人ほどそう思うだろう。そんな風に切り捨てていたら、何も聴けなくなるだろう。音楽の趣味が、主人公のこだわり、と言えばそうなのだが、コンプレックスと繋がっている。私も随分日の当たらない音楽を聴いてきたものだが、流行の曲も大好きだった。だから主人公のわからず屋加減には手に余ると感じる。映画ではジョン・キューザックやジャック・ブラックがキュートに演じていて、その辺は受け入れやすい雰囲気になっているなと思う。

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