2017年4月26日水曜日

邪推は禁物

本当はどうでもいい事で
眠い目をこすってまで考えることでは
ないかもしれないが、
Kate Bushの『Hounds Of Love』を聴いていて
ふつふつと湧き上がって来た疑問があった。

結局、Kate BushとPeter Gabrielは何だったのだろう。

私の記憶でかなり鮮明に覚えている事実は、
80年代後半のインタビューで
Peterとの仲を尋ねられたKateの解答がこうだ。

「私達は、ふたりにしか分からない言葉を使って会話するの。」

君達は宇宙人か!

最近珍しくPeterがインタビューに応じた時、
80年代後半の話の中でKateの事が取り上げられていた。
それによると、『SO』以降、2人はしばらく会っていないのだと言う。
「え!本当ですか?あれ以来全く会っていらっしゃらないんですか?」
とインタビュアーも驚いていた。
「皆の噂ではKateはずっと前に埋められているとかいう話もあるぐらいで(笑)」

嵐が丘のキャサリンか!

とにかく、分かったことは二つしかない。

①仲の良かったころ、彼らはふたりにしか分からない言葉を使って
  コミュニケーションをとっていたという(宇宙人説)

②最近2人は全く会っておらず、Kateは埋められているという(嵐が丘説)
 

最近のKate BushもPeter Gabrielも
セルフカバー集を出したり、ライブを
行ったりしてかなり精力的に活動中である。

私はこのふたりにとても深い思い入れがある。

Kate Bushは、誰もその名前を知らない頃から
ラジオで存在を知り、その後よく聴いていた。
E・ブロンテの『嵐が丘』は小学校の時初めて読んだ
海外文学でキャサリンの想いを歌ったKateを
キャサリンと同一視して崇めていた。
 『The man with the child in his eyes (少年の瞳を持つ男)』
の歌詞に心酔もしたりした。
Kateの詩は正統派英語の前置詞のつけ方の
立派なお手本のようで大変勉強になった。
 
だからPeter Gabrielの『Don't Give Up』のPVを観たとき、
「よせ!今すぐ離れろ!」とは思わずに、
抱き合う姿を観てそれはそれは嬉しく思ったものだ。
まるで音楽世界における三位一体を観ているようで
この2人がそのまま恋人になったとしても
なんら疑問は感じなかったと思う。
今でもこのPVを観ると
幸せなふたりの姿を観ている彼らの母親のように
涙が溢れるのを止められない。

で、ホントのところはどうだったの?
そう思っている人は結構多い。
「彼らはなんかはあったんだろうね。一年後離婚してるから。」
「いやいや、彼らは非常に特別な友情で結ばれていたんだよ。」

とかなんとか。
人の事なのに気になってしょうがないです。

もう昔の話なのにね。

 『The man with the child in his eyes (少年の瞳を持つ男)』
のThe manはPeterだという説もあるけれどどうなのかな。
(邪推は禁物)
 



































2017年4月21日金曜日

リバイバルという風潮

ある事情でオーディオ棚を動かす事になり
大量のCDとDVDを全部出さなければいけなくなった。
出し入れ時は手を止めないように、
出来るだけ目をそらして淡々と作業に打ち込んだ。
でもメデューサみたいに目が合うとそらすことが不可能なものがある。

Peter Gabrielの『Secret World Live』の事を考えると夜も眠れなくなって
ついに夜、魔がさしてトラックリストから好きな曲だけ見始めたら
琴線に触れる音の洪水に興奮して余計に寝れなくなった。

次の日家族の者にも半強制的に見せると
家族も「Peterの様子に迫力がありすぎて目がそらせない」
と、ぐったりした瞳を物憂げにまばたきしながらも
TVを止めることができない。

クライマックスに使われる『SO』からの『In your eyes』
いつ観ても素晴らしく心にフレーズの残響が残る。




ライブを見て思い出した。
彼に関するDVDは正規品では全部持っているのに
ライブ以外のCDを殆ど持っていない。

翌朝ラジオで『Sledgehammer』がかかる。
これはもう買いに行くしかない。

                                

翌日CDを購入しようと思って
ショッピングセンター内のCDショップをあたると
ピーター・ゲイブリエルのぴーの字もない。
餌を探す雀みたいに上下に動いている様子を
店員に不審がられる。
ショッピングセンター内では『Sledgehammer』が
私をあざ笑うかのように高らかにかかっている。


ぐったり疲れた体を引きずり、結局自宅でワンクリックで注文。
世の中のしくみが複雑すぎてついていけない。
 
これには滑稽な私事都合がある。
全部自分が悪いのだ。
実は『SO』は当時、発売と同時に購入したものだった。
バイトでためたお金で買う喜びを与えてくれたCDの一枚だった。
ところが私は彼のCDを売ってしまった。
大事にしていたものを安易に売った理由は
敢えてここでは書かない。

25年以上経ち、リマスター版も出ている中で
敢えて古いCDを購入した。
長い間個人が丁寧に保管していたものらしい。
中古のCDや映画パンフを購入するとき、
おおげさかもしれないが、
私は時折、前の持ち主から、
魂の一部を引き継ぐような気分になる。

ともあれ『SO』が長い月日を経て
この度我が家に帰還する。
これを私は
再会した恋人のように、
もう二度と抱きしめて離さないだろう。

Peter GabrielはStingと組んで
昨年ツアーを行っていた。
その動画を拝見すると
声が変わっていないのに驚く。
『SO』の頃に観て
激しい思慕を募らせたうるわしき姿
(この表現がもう80年代ジュネ世代)
ではないけれど
もしかしてこの人まだ青春を生きてる?
と思わせるような雰囲気が
(おじいのはずの)彼から醸し出されている。
Stingもひげを剃って若々しくなって
『Solsbury Hill』がとても声に合っていた。

                   

私はそれを観て割りと嬉しくなったけれど、
今の御時勢、高いコンサート代で
古いヒット曲を延々聴かすみたいなことを
やめろと思う人もいるみたいで、
賛成と反対がどうやら入り乱れている様子。

まあまあ、お子さんもまだ小さい事ですし、
頑張ってもう一旗あげたいところなんでしょうし
ここはひとつ、応援してあげては・・・
と思わず間に入ったら大変な目にあったりするかも。
(ガクブル)

それにアーティストの立場になって考えてみれば
自分の作品をもう年だしもうやめる、
と折角の名曲を封印するのは哀しすぎる事情だ。

私がPeter Gabrielをまた聴き始めた理由
それは彼が作る音に今でもときめくから。
そう、たとえおじいでも。
今でも彼の存在に心が有り得ない程高揚する。

『認めたくないものだな、自分自身の若さ故の過ちというものを』

そう、それでいいのです。

2015年に観たKing Crimsonのライブでは
私は何故か涙が制御不能だった。
何故、沈着冷静なバンドの完璧な演奏を観て
感情に走ったのか自分でも理解できない。

あれだけの演奏をした彼等にとって
『沈着冷静な』ことも『完璧』なことも
こつこつ積み重ねてきた結果だからなのか。

やっぱり今考えても理由が見つからない。

最後Robert Frippが会場を見渡して
ゆっくりお辞儀をした時、

わざと泣かせようとしているとしか思えなかった。

頼むから『日の名残り』のアンソニー・ホプキンス
みたいな姿で前に立たないでくれ。

周りはおかしく思うだろう。
プログレを聴いて泣いてる女なんて
危険極まりない存在だと思われないか。
辺りをそっと見渡せば周りの女性はそっと
涙を拭いていた。

ああ、やっぱり、あなたもそうなのね。
理由なんて見つからなくていいのよ。


『僕は16歳で
周りは当然現代のポップを聴いてて
まあ好きだと思う曲もありますが、
僕はちょっとおかしいのかもしれないけど
この曲に心から感動しました。
この時代の一曲の中に
与えてくれる感動の
深さ(depth)に心から惹かれます。』

これは『In your eyes』の
歌詞を載せた動画のコメント欄に
載っていたもの。
それに対し、お姉様が
『全然おかしくないわよ!
この頃の曲に深い感動があるのは
ただただ、アーティストが
純粋に想いをこめて
曲作りをしていたからなのよ』
と優しくコメントをあげていた。


今でもきっと、純粋なアーティストは
大勢いるに違いない。
アーティストの意向が純粋に
反映されたアルバムが
もっと出てくればいいのにと思う。

それでこそ、リバイバルという風潮が
新しい潮流になって人々の心に
染み渡るのではないかと思う。

そんな時代がやってきてほしい。

追記:King Crimson、もうこれで最後かもしれない
   と思っていたらもう一度来日されました・・・
   しかも中休憩入れて長時間に及ぶ演奏・・・
   フリップ先生はさらにまた生徒さんを集めて
   いらっしゃるそうで、本当にお元気そうで
   奥様とも仲が良くて、何よりです。
   












































































Madonna - Beautiful Stranger (Official Video) [HD] 90年代後半からのマドンナ

Madonnaって80年代、90年代、と年代ごとに全然違う顔をしている。 ごく初期の物も好きだけど、90年代以降の彼女のアルバムは 今聴いても凄く面白い。 William Orbitのプロデュースの頃の『Ray of light』『Music』は 本当に何度も聴いたことか。 その...