2017年5月6日土曜日

自分の目で見て何度も確かめること

先日、古本屋さんで古い音楽情報誌に載っていた
ライブ評を読んで驚愕した。
余りにもひどくて悪い冗談のようだった。

それはピーターガブリエルの1994年単独来日時のライブ評だったが
「彼はもうライブに興味がなくなったのではないか」
などと過去のライブと比較して彼の情熱が感じられないと論じ
「周りにいた私の知り合い10人もそう思っているようだった」と
論理は全体論に展開し、
「『ビコ』を観客と合唱する姿は、まるでナチスドイツのようでぞっとした」
とあった。

このレビューをその当時読まなくて本当に良かったと心から思っている。

私の家族は94年の彼のライブを観ているが、
パントマイムのような姿を影絵に
したりして幻想的な雰囲気があり、大掛かりなセット無しでも
十分楽しめたと言っていた。

実際、『Secret World Live』のDVDは非常に素晴らしく思えた。

人の感受性というのは本来言葉にならないものだ。
それは目の前を吹き抜けていくそよ風のように
頼りにならないものであり、詩神のささやきのように一瞬のものだ。

自分の目で見て確かめるということはとても大切だ。

気になる時は出向いていき、実際にこの目で見てみる。

私は彼のライブを目の前では観ていない、その代わり
それまでのDVDを殆ど全て繰り返し見て確かめる。

何度も観ているうちに伝わってくるものがある。

この時の彼の想いが。

皆に自分の作品を共有してもらえることの喜びを
心から感じていると思えるものは

時間が経っても色褪せない。

そして思う、どんなことがあっても

素晴らしい音楽だけが永遠に生き残る。

映画『オーケストラ!(Le Concert)』で
あのチェリストが語った通りの思いが頭をよぎる。

『今も美しいのは音楽だけ 言葉は汚い。言葉は嘘をつく』









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