2019年7月29日月曜日

行け、ダッキー!

『Pretty in pink』を本当に久しぶりに観た。
最後に見たのはいつだろう?覚えていないくらい昔のことだ。
Molly Ringwaldは、クライマックスのプロムのシーンで着た
ピンクのドレスが大嫌いだったと聞いてなんとなく納得。
当時映画を観た知り合いも殆ど皆、違和感を感じていたからだ。
映画を通して彼女の、オリジナリティ溢れる装いを堪能できる
にも関わらず、肝心のピンクのドレスがピンとこなかった。
それよりも彼女にはもっと赤や黒など、はっきりした色を
持ってきた方が断然似合う。
でもそれだと映画のタイトルから外れてしまう。



ふたたび80年代中盤を舞台にしたこの映画を観て
ジョン・ヒューズ関連の映画の中でも一番いいなと
思ったら、監督が『Some kind of wonderful(恋しくて)』
のHoward Deutchでふたたび納得。
10代の胸が張り裂けそうな切ない想いを撮らせたら右に出ない人。
しかもLea Thompsonと結婚していたのですね。
それはそれは。
『Caroline in the City』、好きでしたよ。



映画の話に戻るけれど
『Pretty in pink』は結構シリアスな映画でびっくりした。
学校の中でホワイトカラーとブルーカラーの階級があって
主人公が属するのは奨学金を取ってバイトもしている
言わずもがなのブルーカラー・クラス。
ホワイトカラーの男の子と付き合うことになるのだけれど
お互いの知り合いから排除されてしまい孤独に。
さあどうする?というもの。

最後は青春映画らしく清清しいフィナーレだけれど
そこに至るまでの追い詰められた感じがどうにも気の毒で
正直ちょっと悲しくなった。
金持ち=意地悪という図式は分かりやすいから
理不尽なことばかり言ってからんでくる金持ち連中め!と、
観ているほうも主人公を応援したくなるように
設定がなっているけれど
意地悪に描くなら何故そんなに意地悪になってしまったのかを
描くともっと良かったかなと思うけど
でもきっとそういったことを描く
必要のない時代だったのかもしれない。

主人公の女の子の話と同時進行で
幼なじみのダッキーという
男の子の話も進んでいく。

もうなんかふられ専門みたいな
道端の子犬のような感じで出てくるのだけれど
映画が進むにつれ
彼の幸せを願い
私はどちらというとダッキーを応援していた。

ダッキーみたいな男の子にこそ幸せになってほしい。

それから主人公のバイト先のレコード屋さん、最高。
私がバイトする頃にはCDが主流だったけれど
レコード屋さんでバイトしてみたかった。
面白いのは、映画のサントラは主にUKロックで
固めているのに、このレコード屋さんでかける曲が
Otis Leddingの『Try a little tenderness』
であること。
The Smithsのポスターとかめっちゃ貼ってあるのに。
もう見るからにロンドン風のレコード屋さんなのに。
この時代独特の音の溢れかえっていた匂いのする
そんなレコード屋さん。

最後のプロムのシーンは印象的だった。

主人公の女の子が気分のどん底から立ち直るため
ピンクのドレスをリメイクしてプロムに立ち向かう。
手作りのドレスは自分らしさを、
プロムは外界の偏見に満ちた世界を表し、
自分らしさで立ち向かう強い女性として成長する。

最愛の妻に去られた彼女の父を見て育った彼女が
それでも諦めない姿を見せるのが清清しい。

BGMもこの時代ならでは。
New OrderからOMDに移るあたりは
つい嬉しい気分になってしまった。
OMDも出演していて二度びっくり。

ダッキーはあの後、幸せになったのかな。

Pretty in pink  Soundtracks

Left Of Centre - Vega, Suzanne
Get To Know Ya - Johnson, Jesse
Do Wot You Do - INXS
Pretty In Pink - Psychedelic Furs
Shellshock - New Order
Round Round - Belouis Some
Wouldn't It Be Good - Hutton, June
Bring On The Dancing Horses - Echo & The Bunnymen
Please Please Please Let Me Get What I Want - The Smiths
If You Leave - OMD

レコード屋さんの店主、イオナの
コスチューム七変化やビーハイブのヘアスタイル
が脳裏をよぎる。

*最近のMollyは時折ジャズボーカルをしている様子。
Simple Mindsの『Don't you(forget about me)』



*『Pretty in Pink』よりも『16 candles(素敵な片思い)』の
Mollyのファッションの方が
どちらかというと、取り入れやすかったように思う。
久しぶりに見ると、麦わら帽子のかたちや全体の雰囲気が
普通ぽくあるようで、とても独特。
彼女のファッションは若いから素敵、
なのではなく、彼女自身の個性を上手に
表現しているからこそ、同世代の共感を得たのだと思う。
正直、この時代でも美形な人はもっと他にもいたと思うけれど
Mollyは『わたしたち』にとって親友であり尊敬できる優等生、
そして心の代弁者・理解者だったように思う。
・・・すっかりリングレッツ(Mollyの熱狂的なファン)な気分に。



*この映画のエンディングで流れる『If you were here』は
Thompson Twinsの1983年のアルバム
『Quick step and side kick』からの一曲。
何度も見てるから、結末は百も承知。
なのにのにこの曲のせいで結構グッときてしまう。























































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