2019年12月28日土曜日

十三(じゅうそう)はおもろい街

私の十三(じゅうそう)
作詞:ぱじぱじ

ひさしぶりやな
前回はどうやら
10年も前のこと
大阪いうても広い
梅田や難波は大勢のお客さん
海外のお客さん溢れとる
せやけど十三は違う
火事の後は綺麗になって
でも昭和の香りまだあって
そんでもやっぱり
商店街きっちり
消費税上がっとる
大変やなそれでも
元値が異常に安いのは
前となんや同じやな
町全体が全力で
変わらないいうて
宣言しとる
すぐそこりっぱな大都会
電車めっちゃ走っとる
でもやっぱり退社して
わざわざこっち来て
若い男女が乾杯しとる
立ち飲み屋はいつも満員
駅前団子屋いつも行列
コロッケほおばる
サラリーマンと学生
おいしそうやな
こうていこか
これなんぼ
はい50万円、知らんけど
ああ~好きやねん
いつまでも消えんといて~~
うちの~うちの~
大好きな下町十三(じゅうそう)~

おまけ:ひすい珈琲さんのトイレに貼ってあった
『18歳と81歳の違い』

移り行く日本社会の狭間で

『i 新聞記者 ドキュメント』
監督:森達也
制作:スターサンズ
出演:望月衣塑子
大阪・十三『第七藝術劇場』にて
冒頭の辺野古移設問題から
最後の参院選の選挙活動まで
中だるみすることなく一気に鑑賞
沖縄の海には特別な思い入れがあるため
美しい海で泳ぐ無垢な魚たちが泳ぐ場面の度
涙が止まらない
辺野古のデニー知事から始まり
籠池夫妻、前川前事務次官、伊藤詩織さん
目まぐるしく取材を慣行する望月記者
記者が現地に取材をした記事ですら
時にはボツになることがある
官房長官とのやり取りは
宿敵との一騎打ちのような臨場感がある
今の時代
何が正しいのか分からなくなるような
混沌とした状況で
持ち前の嗅覚で情報を選別し
狙いを定めて攻めていく記者
おそらくこれから先もリスク覚悟で
手加減することなく
記事を手掛けていくだろう

今まで停滞していた状況が
ほんの少しずつでも動き出している
日本は今、変わろうとしている
どうせなら時間をかけて
良い状況へ変わっていきたい
そんな風にひとりひとりが
心の底で願っているのではないか
館内は時には笑い声があふれたり
怒りの熱がこもったり
静寂が訪れたりしていた

私が好きなシーンは
望月記者がケーキを食べる場面だ。
思うようにいかない
そんな時に甘いものを思い切り食べる
スタートレックのカウンセラー
ディアナ・トロイの様だ
いつもは豹のように俊敏な彼女が
その時ばかりは愛らしい少女に思えた


















2019年7月31日水曜日

Tears in rain(雨の中の涙のように)

Rutger Hauerが亡くなり、
Imaxシアターでは9月から2週間限定で
『Bladerunner』のファイナル・カット版を上映するという。
DVDで何種類かのバージョンを既に鑑賞済みだが
心の整理をするためにも1度劇場に足を運んでみたいと思う。

『Bladerunner2049』の時、
映画館には結構大勢の人がいた。
高齢な人もいるらしく、長丁場の作品に
トイレに立つお客さんも目立った。
それでもどうしても観たくて来たのだろう。
最後のエンドロールまで退席するお客さんはいなかった。

最初のBladerunner公開は1982年。
時代設定は2019年のディストピアな未来都市。
2019年の設定で、Royを演じたので
同じ2019年で彼が本当に亡くなったことで
彼こそが本物のRoyであるかのようで
驚くと共に畏怖の念を感じる。

彼が亡くなった頃、
日本は梅雨だった。
まるで本当に
『雨の中の涙のように』
静かに安らかに
永久の眠りについた様だ。

Rutger Hauerは
『Ladyhawke』も素敵だった。
心に残る印象的な眼差し
孤高の戦士が
ぴったりのイメージだった。

沢山のインスピレーションを
与えてくれたことに
心から感謝したい。

以前こんなエピソードを見つけた。

アムステルダムの美術館の隣のカフェで
ウェイトレスをしている人が
カフェにいる彼を見つけたそうだ。
『あっ、あのRoy役の・・』と
思っていたその時
彼は一瞬ウィンクをして
バイク(確かハーレー)にまたがり
颯爽と去っていたそうだ。

こういうエピソードを聞くと
本当に彼は未来から来たアンドロイドか
中世からタイムトリップしてきた騎士で
自分の時間に帰っていったんじゃないかと
本気で思ってしまいたくなる。

アムステルダムに行ってみようかと
ちょっと思ったこともあった
バケツ一杯のカキを食べて
美術鑑賞をして・・・
どんな場所で彼が生きたのか
それを1度見てみたかった。

でも
素晴らしい作品と共に
心にずっと残ってくれることが
何よりも一番嬉しい。

芸術は永遠に人々の心に残る。

本当にそうだ。






2019年7月29日月曜日

行け、ダッキー!

『Pretty in pink』を本当に久しぶりに観た。
最後に見たのはいつだろう?覚えていないくらい昔のことだ。
Molly Ringwaldは、クライマックスのプロムのシーンで着た
ピンクのドレスが大嫌いだったと聞いてなんとなく納得。
当時映画を観た知り合いも殆ど皆、違和感を感じていたからだ。
映画を通して彼女の、オリジナリティ溢れる装いを堪能できる
にも関わらず、肝心のピンクのドレスがピンとこなかった。
それよりも彼女にはもっと赤や黒など、はっきりした色を
持ってきた方が断然似合う。
でもそれだと映画のタイトルから外れてしまう。



ふたたび80年代中盤を舞台にしたこの映画を観て
ジョン・ヒューズ関連の映画の中でも一番いいなと
思ったら、監督が『Some kind of wonderful(恋しくて)』
のHoward Deutchでふたたび納得。
10代の胸が張り裂けそうな切ない想いを撮らせたら右に出ない人。
しかもLea Thompsonと結婚していたのですね。
それはそれは。
『Caroline in the City』、好きでしたよ。



映画の話に戻るけれど
『Pretty in pink』は結構シリアスな映画でびっくりした。
学校の中でホワイトカラーとブルーカラーの階級があって
主人公が属するのは奨学金を取ってバイトもしている
言わずもがなのブルーカラー・クラス。
ホワイトカラーの男の子と付き合うことになるのだけれど
お互いの知り合いから排除されてしまい孤独に。
さあどうする?というもの。

最後は青春映画らしく清清しいフィナーレだけれど
そこに至るまでの追い詰められた感じがどうにも気の毒で
正直ちょっと悲しくなった。
金持ち=意地悪という図式は分かりやすいから
理不尽なことばかり言ってからんでくる金持ち連中め!と、
観ているほうも主人公を応援したくなるように
設定がなっているけれど
意地悪に描くなら何故そんなに意地悪になってしまったのかを
描くともっと良かったかなと思うけど
でもきっとそういったことを描く
必要のない時代だったのかもしれない。

主人公の女の子の話と同時進行で
幼なじみのダッキーという
男の子の話も進んでいく。

もうなんかふられ専門みたいな
道端の子犬のような感じで出てくるのだけれど
映画が進むにつれ
彼の幸せを願い
私はどちらというとダッキーを応援していた。

ダッキーみたいな男の子にこそ幸せになってほしい。

それから主人公のバイト先のレコード屋さん、最高。
私がバイトする頃にはCDが主流だったけれど
レコード屋さんでバイトしてみたかった。
面白いのは、映画のサントラは主にUKロックで
固めているのに、このレコード屋さんでかける曲が
Otis Leddingの『Try a little tenderness』
であること。
The Smithsのポスターとかめっちゃ貼ってあるのに。
もう見るからにロンドン風のレコード屋さんなのに。
この時代独特の音の溢れかえっていた匂いのする
そんなレコード屋さん。

最後のプロムのシーンは印象的だった。

主人公の女の子が気分のどん底から立ち直るため
ピンクのドレスをリメイクしてプロムに立ち向かう。
手作りのドレスは自分らしさを、
プロムは外界の偏見に満ちた世界を表し、
自分らしさで立ち向かう強い女性として成長する。

最愛の妻に去られた彼女の父を見て育った彼女が
それでも諦めない姿を見せるのが清清しい。

BGMもこの時代ならでは。
New OrderからOMDに移るあたりは
つい嬉しい気分になってしまった。
OMDも出演していて二度びっくり。

ダッキーはあの後、幸せになったのかな。

Pretty in pink  Soundtracks

Left Of Centre - Vega, Suzanne
Get To Know Ya - Johnson, Jesse
Do Wot You Do - INXS
Pretty In Pink - Psychedelic Furs
Shellshock - New Order
Round Round - Belouis Some
Wouldn't It Be Good - Hutton, June
Bring On The Dancing Horses - Echo & The Bunnymen
Please Please Please Let Me Get What I Want - The Smiths
If You Leave - OMD

レコード屋さんの店主、イオナの
コスチューム七変化やビーハイブのヘアスタイル
が脳裏をよぎる。

*最近のMollyは時折ジャズボーカルをしている様子。
Simple Mindsの『Don't you(forget about me)』



*『Pretty in Pink』よりも『16 candles(素敵な片思い)』の
Mollyのファッションの方が
どちらかというと、取り入れやすかったように思う。
久しぶりに見ると、麦わら帽子のかたちや全体の雰囲気が
普通ぽくあるようで、とても独特。
彼女のファッションは若いから素敵、
なのではなく、彼女自身の個性を上手に
表現しているからこそ、同世代の共感を得たのだと思う。
正直、この時代でも美形な人はもっと他にもいたと思うけれど
Mollyは『わたしたち』にとって親友であり尊敬できる優等生、
そして心の代弁者・理解者だったように思う。
・・・すっかりリングレッツ(Mollyの熱狂的なファン)な気分に。



*この映画のエンディングで流れる『If you were here』は
Thompson Twinsの1983年のアルバム
『Quick step and side kick』からの一曲。
何度も見てるから、結末は百も承知。
なのにのにこの曲のせいで結構グッときてしまう。























































2019年7月22日月曜日

RDJを一気見

ここ一ヶ月近く、ずっとロバート・ダウニー・Jr
の映画ばかり観ている。
DVDで吐くほど観続けた。
もともとの発端はやはりアベンジャーズなのだけど
余りにも多くの作品を一気観したせいか
なんだか大昔のことの様に思える。
アベンジャーズはDr.ストレンジからぽつぽつと
観ていて、でもそのころはまだ初心者というか
DCとの区別すらアヤシイ感じの『好きさ』加減
だったのだけど
(どの位アヤシカッタかというと
Sealの曲が使われている映画を探していて
スパイダーマンとバットマンを取り違えるほどの
馬鹿げたアヤシサ)

今はもう、その頃のわたしでは、ない。

沢山観た中で印象的だった映画を
敢えて3つあげると
(『アイアンマン』『シャーロックホームズ』以外で)

『Charlie(チャーリー)』
『The Judge(ジャッジ 裁かれる判事)』
『Heart and Souls(愛が微笑む時)』

この3つのうち、
『愛が微笑む時』は、長くDVD化がされず
署名運動まで起った作品という情報を聞いてから鑑賞。
とても良かった。

RDJのオリジナル曲が沢山入っているCDも
とてもいい。
これまで色々な音楽を聴いてきているけれど
彼がミュージシャンだったとしても不思議はないほど
よく出来たCDだった。
スタジオミュージシャンのバックアップが効果的
だったのかもしれないが
彼の歌詞が当時の不安定な自分からの決別を
語っているようで、それが聴く人の心を
しんみりと静かな気持ちにさせる。
ちょいと小粋なラウンジでゆったり流れているような
ジャージーな音楽が詰まっている。

そういえば以前、
『アリー・マイ・ラブ』をまだNHKで放映して
いた頃、アリーがいつになく静かに心を通わせる
相手が出来たなと思っていたら
実はそれがRDJの演じるラリー・ポール
だったということをつい最近知った。
すごく優しそうな人なのに
どうして彼女、疑心暗鬼になって
あんな別れ方をするのかといぶかしがっていた。
実はRDJの問題で降板することになり
急にシナリオを変えなければならなかったのが
原因だったなんて。
賞まで受賞しているのに。
本人も後から振り返って『過大評価だ』
と言ってるようだけど
未だにとても愛されているラリー・ポール
そこでもStingと『Every breath you take』を
歌っていた。

演じることだけではなく歌うことも
今は楽しんでいるようで

これまでも本当にいろいろなことを経験して
キャリアも積んできた
RDJはこれからどこへいくのかな。

追記:7/31
『Ally Mcbeal』シーズン4-20話を再鑑賞。
画面に映える人だから
出演するだけで輝いて見える。
器用で何でも出来る感じ。声もいいし、台詞回しも上手い。
Stingが後ろで歌っているのかと思うほど歌もとてもうまい。
以前からずっといたような存在感もある。
けれどこの頃、やっぱりなんとなく
らしくないのかな、と思う。
彼特有の情熱が余り感じられない。

それにしても色々な意味で
凄いシナリオに驚愕。

アリー、どうしてそんなに焦る!?
仕事も一流で彼氏もいたら
それで十分では!?
彼氏が私から離れる『かもしれない』
という恐れとか
老いていくことへの不安や焦りで
憂鬱になって誕生日に出かけられないとか・・・
幻影が暴れるとか・・

『若さゆえの過ちか・・・(フッ)』


当時これを普通に観ていたのかという
事実に驚愕した。














2019年2月28日木曜日

あの頃私達が聴いていたもの

随分と久しぶりにブログを書くので
印象に残ったことをもうひとつだけ書いておきたい。

我が家では平日の朝のTVは専ら『モーニングショー』だ。
朝はバタバタしているから、録画しておいて
夜に観たりすることもある。
私は羽鳥さんと玉川さんのやりとりが結構好きで
時々ハラハラしながらも楽しく観させて頂いているが
先日、映画上映により空前のQueenブームが巻き起こった時、
玉川さんがこうコメントしたのをはっきり覚えている。

『私達の時代はQueen と The Smithsでした。』

私の頭は一瞬空になり、この台詞が脳内をリフレインした。

私達の時代はQueen と The Smithsでした・・
私達の時代はQueen と The Smithsでした・・・
私達の時代はQueen と The Smithsでした・・・・

この方はQueenと同時にThe Smithsを聴いていたのか?
この方が聴いていたカセットテープには
QueenとThe Smithsが内在、同梱、同居していたのか?
この方はQueenの『We Will Rock You』を聴いた後で
The Smithsの『Heaven Knows I'm Miserable Now』を
聴いていたのか?
それは・・・
感情の起伏が激しすぎる・・・
まるで激辛ラーメンを食べた後で
渋いコーヒーを一気飲みするような
hotで謎な組み合わせ。
さっきまで『いくぜゴラ!』と炎の如く叫んでいたかと思えば
急に『もうだめぽ』とうつむき加減で雨に打たれた野良犬みたいに
うなだれている位の起伏の激しさ。

彼はどんな青春を過ごしていらっしゃったのでしょうか?
(どうでもいいですね、はい) 

彼は今でも聴く音楽は専ら『洋楽です』と言っていた。
私もほぼ洋楽一辺倒。
強いて言えばスパイスのぴりっと効いた
ワールド・ミュージックに最近はどっぷりと漬かっていたけれど
どれも洋楽であることに間違いはない。

しかしあの組み合わせをすらっと言える人は
そうそういないはずだ。
それとも
彼の通っていた京都の大学では
QueenとThe Smithsが大流通していたのだろうか。

なんとなく謎だ。

じゃああの頃、私達が聴いていたものはなんだろう?
いろいろありすぎて、とてもひとことで言えない。
もちろんQueenもThe Smithsも聴いていたけれど
ほかにもいろいろありましたよね。
そうですね、イギリス(含むアイルランド)に限って言っても

The Style Council
The Police
The Cure
Eurythmics
U2
Eco & the Bunnymen
Joe Jackson
Mari Wilson
Kate Bush
Heaven 17
Tears for fears
Madness
Depeche Mode
Spandau Ballet
Genesis
Peter Gabriel
そして
David Bowie

とてもとても書ききれない・・・

でも確かに
『あの時代』を象徴する、という意味では
Queen とThe Smithsは
そうだったかもしれない。

あの時代をQueenとThe Smithsで締めてしまう
彼の潔いまでの断定的発言に驚きと畏敬の念を感じた
一瞬でした。










曲の名は(スタカン)

Style Councilの曲でどうしても分からない曲が何十年ぶりかに判明した。
『クロスオーバー11』という昔NHK-FMの番組でかかっていた曲で
カセットで録音したものだ。
それもカセットは品質が余り良くなかったため
当初からボロボロの音源だった。
まさか今になって見つかるとは信じられない。
うれしくて仕方がない。
見つけた時は思った以上に深くときめいた。

突然の恋のように
その曲は私の前に現れた
一瞬ハートが高鳴った。
心臓にはあまり良くない現象だ。

以前、自分でもかなり探したし、詳しい人にも聴いてもらったりもした。
でも結局、何の曲なのかはわからず、長い長い年月が過ぎていった。

あの人(曲)は誰?せめて名前(タイトル)だけでも・・・

そして先日、虫の知らせか、
今の時代なら何かしら分かるかもと、
ネット検索にかけてみると、2006年に発売されていた
『Our Favorite Shop』 の2枚組デラックスバージョンの2枚目に
見覚えの無いタイトルを数曲見つけた。
分からない曲を探し出す時、
私はいつもそうなのだが
1曲ずつその見覚えのないタイトル曲を視聴していく。
一見すると手間に思えるが実はそれが一番近道なのを知っている。

そしてついに見つけた。
その名も『Spin Drifting』
本当に、海の中で彷徨い続け漂着したような1曲。
聴いてみるととてもシンプルなもの。
でも私には
海岸に打ち上げられたガラスのボトルが
太陽の光でキラキラと輝く
砂にまみれた宝石のように見える。

素敵だ。
そして何もかもが懐かしい

ギターのカッティング、
ハモンドオルガンの音色
ポールの歌声

何度も繰り返すフレーズと歌詞
まるで陸の孤島にいるように
孤独に打ちひしがれている男が
自分を見つけてもらえるように
必死に祈り願う歌
もがくことすらできず
絶望の中で奇跡を待ちわびていて
人生がただ過ぎていくという・・・

あの時代

こんな歌詞を聴いていたなんて・・・

80年代は明るい歌ばかりじゃなかった
人生の裏街道みたいな歌詞も一杯あった
それは
ダブル・デッカーバスにぶつかりそうなThe Smithsの歌、
妖しげな館でうろうろしているMatt Johnsonの歌、
全速力で恋人を振り切って逃げる
愛し愛されることを恐れるKate Bushの歌まで
ありとあらゆる精神の危機を詩的に歌い上げていた
時代だった。

それはわかりすぎるほど
わかっていたけれど

最近そんな風に歌詞を改めて吟味することも
少なくなってきていたせいか
このダークな、救いのない歌に秘めた
アーティストの想いに胸が高鳴る。

嘘みたいだけど、あの頃はこれからも
Style Councilがずっと続いていくと思っていた。
D.C Leeともずっとhappy ever afterだと。

歳月は彼を、私達をどんな場所に連れていったのだろう。
絶望のなかで奇跡は起こるのだろうか。
彼の過ごす世界で日曜日に幸福はやってくるのだろうか。

Paul Wellerは問題提議はしても
解決策を出していない

そしてまた作り続ける

その頃、普通の学生でも
『スタカン』は知っていて
カセットテープが行き交う日々だった
その様な中で知ったこのアルバム。

でも当時は
歌詞に込められた意味の深さに
気づく人は殆どいなかった
特に当時
景気が良好だった日本では
お洒落な音楽として
カテゴライズされていた

でも当時の英国は
庶民が本当に苦しむなかで
様々なスタイルの
ポップ・ミュージックや
パンク・ロックが
生まれていった。

苦しみの中から生まれた音楽が
輝きを放って
それは遠い海を隔てた日本にも
やってきた。

まだ学生だった
私自身も理解していたとは
とても言えないけれど
歌詞を読み上げると
『なんか暗いね』とか
『なんか極端だね』とか
とにかく否定的に言われることが
とても多かった。
もうすこしだけ立ち止まって
何故アーティストが
こうした歌を作るのか
歌の意味を考えてみようよと
思ったこともある

今の私は
Style Councilの世界に
ふたたび触れることが出来て
ただただ嬉しい。

今ではデジタル・ミュージックにもなっているから
ダウンロードも出来る。
その方が手軽だし安価だ。
でも私はやっぱりCDを注文してしまった。
私のたいせつな1曲。
遥かなる思い出のために。

追記: Our Favourite Shop Deluxe  Edition (The Style Council)
          (Amazon デジタル・ミュージックへ飛びます)
   真っ先にDisc 2の方を聴くと
   1曲目の『The Piccadilly Trail』から
   もう『あの時代』の香り。
   このアルバムがイギリス、さらに
   音楽の世界を旅する原動力になったように思う。
   PVバージョンの『Lodgers』も
   入っていてほっこり嬉しい。
   Disc2はオマケ以上のご褒美ディスクでした
   少なくとも、私のように
   偏愛に満ちた人間にとっては。 
   そして久しぶりに聴いた
   『Our Favorite Shop』
   かつてアルバムのB面に収録された
   『Down On The Seine』
   『Luck』
         は聴くたびに懐かしさがこみ上げる。
   その昔、
   Jamの『Going Underground』を聴いて
   電車が来るのを待ったり、 
   ソロになった彼のライブに足を運んだり
   したけれど、
   この頃のPaul Wellerの作った曲には
   思い入れが強い。 
   今聴くと、楽曲提供者やバンドのメンバーが
   優れていたからこそ完成できた
   アルバムだったとつくづく思う。
   実はこのアルバム、CDで買うのははじめて。  
   余りにも『Spin Drifting』しすぎて
   手に入れるチャンスを逃してばかりいた。
   (つまり手当たり次第に
    見知らぬ曲の入ったアルバムを
   購入したってこと)
   あの1曲のために、どれだけ購入したことか。
   ベスト版を・・・
   ライブ版も・・・
   それはともかく
   暖かい初春の日に聴いていた
   『Speak Like A Child』と同じ位
   暑苦しいまでの
   愛情を捧げたいアルバム。



 
 spin drifting /The Style Council






Madonna - Beautiful Stranger (Official Video) [HD] 90年代後半からのマドンナ

Madonnaって80年代、90年代、と年代ごとに全然違う顔をしている。 ごく初期の物も好きだけど、90年代以降の彼女のアルバムは 今聴いても凄く面白い。 William Orbitのプロデュースの頃の『Ray of light』『Music』は 本当に何度も聴いたことか。 その...